HACCPは主に食品工場での製造工程などで、衛生管理を行うための手法として導入されてきたものですが、飲食店でも義務化されることで、HACCPの考え方に基づく衛生管理が飲食店でも求められることになります。例えば飲食店でゴキブリなどを見かけた、従業員の服装が不衛生、厨房の汚れが気になるなど、お店を訪れる消費者にとってもこうした点はお店のイメージを落とすだけでなく、そもそも飲食店としてはあってはならないことです。HACCPの義務化によって、飲食店でも一般衛生管理と重要管理ポイントを管理することが必要になります。まず一般衛生管理はHACCPの基礎となる調理環境の衛生管理のことで、従業員の体調や服装、傷の有無などをチェックすることで健康確認をすること、さらに原材料の受け入れの際に外装汚損や異臭はないか、適切な納入温度か、使用期限や保存法などに問題はないかなどの受け入れ確認を行います。

そして店内の床や壁面、作業台や流しなどの厨房設備は清潔に保たれているか、害虫などの病原菌媒介や異物混入につながる有害な生物がいないか、排水処理状況は正常かなどの施設の点検も必要になります。そのほかにも調理器具の洗浄殺菌やトイレの清掃、手洗いの徹底なども重要なチェックポイントになります。もう一方の重要管理ポイントの管理とは主に調理工程の衛生管理で、一般衛生管理以外の部分で徹底管理が必要となる重要なポイントのことです。日々の管理を記録として残すことも重要で、万一食中毒などの発生原因の嫌疑がかけられた場合にも、自分たちの適切な衛生管理を証明できることとなります。

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