一口に温度計センサーと言っても様々な種類がありますが、代表的な温度計センサーのひとつがサーミスタです。サーミスタは、温度変化によって抵抗値が変化する電子部品で、この部品内の電気の流れを見ることで対象物の温度を測定します。抵抗値の変化を利用して対象物の温度を測定するセンサーには白金測温抵抗体もありますが、この温度計センサーよりもサーミスタの方が安価です。加えて、感度や精度にも優れ、小型化も容易なので、パソコンやスマートフォン、エアコン、自動車など幅広い分野で使用されています。
また、サーミスタは温度特性によって大きくNTC・PTC・CTRの3種類に分けることができます。NTCは、温度上昇に伴って抵抗値が小さくなるタイプで、1℃あたりに抵抗値が3~5%変化するという特徴があります。1℃あたりに生じる変化量が大きいので、微細な温度変化も検知することが可能です。加えて、低コストで量産も容易なので、現在のところ3種類の中で最も頻繁に利用されています。
PTCは、温度上昇に伴って抵抗値が大きくなるタイプのサーミスタです。抵抗値が大きくなったPTCサーミスタは、電流を流すとジュール熱が発生して自己発熱を起こすので、電圧が一定ならば任意の温度を保つ発熱体になります。そのため、温度計センサーとしてだけでなく、ヒーターなどの加熱素子として活用されたり、電流を流した際の自己発熱で抵抗値が増大して、電流が流れにくくなるという特性を利用して電流制御素子として活用されたりもしています。CTRは、温度上昇によって抵抗値が小さくなるという点ではNTCサーミスタと同じです。
しかし、ある温度範囲を超えると急激に抵抗値が低下するという特徴があります。NTCやPTCほど普及していませんが、エアコンや冷蔵庫、自動販売機などで活用されています。